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1: 輝かしい日々(10) 
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【1:10】輝かしい日々
1 名前:ABCの物書き ◆Jpr33HQ5vM :2022/08/05(金) 21:01:03.75 ID:n5CqCdUh
テスト

「輝かしい日々」というタイトルの小説を書きます

2 名前:ABCの物書き ◆K0SGaThNkc :2022/08/05(金) 21:07:20.04 ID:n5CqCdUh
酉が不安定なんですがそれは

3 名前:ABCの物書き ◆K0SGaThNkc :2022/08/05(金) 21:07:40.58 ID:n5CqCdUh
よし、これでOK

4 名前:ABCの物書き ◆K0SGaThNkc :2022/08/05(金) 21:40:03.87 ID:n5CqCdUh
 足が痛いと感じ始めたのは、山を登り始めてどのくらい経った頃だろうか。たしか、20分――いや、30分以上歩き続けた気がする。小学生の脚には整備されていない急勾配の山道はきついものがあった。

「ねぇ、もう帰ろうよぉ」

 先に音を上げたのは俺の方だったと思う。けれど梨花は疲れなんか知らないとでも言いたげにずんずんと山を登っていった。

「もうすぐ、もうすぐだからぁっ」

 山――山といっても、大人になった今考えれば、真剣な登山家に怒られるくらいの低い勾配の山だ。大人の脚なら数十分で頂上に到達する程度の山。けれど小学生だった俺にとってはこの山がとてつもない冒険、あるいは試練に思えた。

 それは梨花も同じだっただろうと思う。それとも、俺がそう思いたいだけだろうか。


5 名前:ABCの物書き ◆K0SGaThNkc :2022/08/05(金) 21:42:23.92 ID:n5CqCdUh
「ねぇ、着いたよ」

 梨花が頂上に着いたときに見せる笑顔が好きだった。いつ見ても初めて眼にするかのような新鮮さを与えてくれた。

 そう――梨花は美しかった。振り向きざまに汗が踊る瞬間、大きな瞳が喜びとともに見開かれる瞬間、きれいに並んだ白い歯が横に引き伸ばされる瞬間――どの瞬間を切り取っても、梨花は美しく可憐だった。

 梨花は俺たちに宣言する前から、本気で目指し始める前から充分に「アイドル」だった。この町のアイドルだったし、俺と2人きりでいるこの瞬間でだって――間違いなくアイドルだった。


「きれいでしょ、夕陽」

「うん、きれいだね……」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

6 名前:予備軍 ◆QyAk6kZuQ9Ac :2022/08/05(金) 23:53:39.14 ID:pX1+YqBg
支援

7 名前:ABCの物書き ◆K0SGaThNkc :2022/08/06(土) 13:34:34.86 ID:FYuxxC1W
「私ね、迷ったときはいつもここに来るんだぁ」

「梨花、なにか迷ってるの?」

「うん、将来の夢――」

「梨花の将来の夢ってなに?」

 俺たちは真剣だった。「将来の夢」が叶うものだと――確定的なものだと信じて疑わなかった。

「……アイドル」

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)

8 名前:ABCの物書き ◆K0SGaThNkc :2022/08/06(土) 13:35:10.80 ID:FYuxxC1W
「テレビ? でもこの辺じゃテレビはあんまり映らないよ」

 正確には、テレビが映らないのではない。ただチャンネル数が少なすぎるだけだ。大人たちはよくその現象を「テレビが映らない」と形容していた。

「それはここがド田舎だからでしょ」

「『どいなか』って?」

「『アイドル』たちが集う都会は違うの。もっといっぱいテレビがあって、朝早い時間でも人がいっぱいいて、夜になると街中の光がキラキラ輝きだすの!」

 梨花は「ド田舎」にない光の代わりに、大きな瞳をこれでもかと輝かせた。


9 名前:ABCの物書き ◆K0SGaThNkc :2022/08/06(土) 13:35:53.27 ID:FYuxxC1W
「そうなんだ、すごいね」

 訳が分かっていなかった。梨花がなんの話をしているのか、うまく想像することができなかったのだ。でも梨花は俺のぼんやりした返事に満足して、

「でしょー? 私、絶対アイドルになる! 絶対に行くんだ、とーきょー!」

 「とーきょー」――その響きはよく耳にする鳥のさえずりのようだった。夕陽は沈みかけていて、鋭く紅い閃光が俺たちの瞳に襲い掛かってくるようだった。

 あの頃の梨花には、太陽すらはねのけられる輝きがあったのだと思う。

 あの頃の、梨花には。
 

10 名前:ぬこ星のねんねこ@どうやら管理人 ★:2022/08/08(月) 08:21:58.34 ID:14Channel

※パチパチパチ

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